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【移住コラム】僕の夢は「ソーシャルじじい」になること 福岡の社会起業家が展望する未来とは(後半)

福岡にUターンで戻ってきた福澤久さんのインタビュー記事。後編となる今回はソーシャルビジネスの組み立てに奔走していた頃の話や、これから福澤さんが取り組もうとしていること、将来やってみたいことなどをうかがいました。また、福澤さんの原点とも言える音楽の話も聞きました。

オフィスの傘立てにあふれた傘を見て…起業して初めての涙

福澤さん:

ビジネスモデルをブラッシュアップして、ついに会社を設立したのが2017年でした。でも、最初はなかなか仕事が回らず、運転資金とにらめっこしながらの日々でした。借りた事務所も備品を買う十分な資金がなかったので、机もスタッフの手作りしてもらっていましたね。

それでもなんとか事業が軌道に乗り始め、事業が大きくなると同時にスタッフの人数も増えていきました。

ある雨の日のこと。スタッフたちが雨の日に出社して事務所の傘立てに傘を入れるのですが、傘立てに傘が入りきらず、傘立ての周りに置かれていることに気づきました。スタッフの数が増えるたびに「新しい傘立てを買わないといけないな」と思っていたんです。でも、忙しくてついつい後回しにしていたんです。

でも、忙しくて傘立てを買うのを忘れくらい事業に没頭できているのは幸せなことです。なによりも、マイソルの思いに共感や理解を示してくれた人たちがこんなにたくさんいるんだと思ったとき、感極まる気持ちが湧き出てきました。僕は起業してから初めて、その傘立てを見ながら廊下で涙しました。この事業を始めて、心の底から良かったと感じた瞬間でしたね。

音楽の情熱はソーシャルビジネスの情熱に転換

–福澤さんは、マイソルの事業以外にも多くの活動を展開しています。

福澤さん:

社会課題の解決に取り組む「社会起業家」を支援する一般社団法人「リエートス」では、代表理事を務めています。社会課題へ挑戦し続けることができる居場所を作りだし、次の世代を担う社会起業家の育成に取り組むとともに、社会起業家のコミュニティを創造していきます。

日本でも、少子高齢化や新型コロナウイルスの影響などで、社会的な孤独や相対的貧困といった課題が浮き彫りになっています。また、障害がある方やLGBTQなどソーシャルマイノリティへの支援も十分とは言えません。

こういった問題を解決するため、孤独の解決と社会起業家を育む「集団的暮し方」を提供するため、九州の地域活性化を目的とした「コレクティブハウス」事業もスタートしました。

–様々なソーシャルビジネスを展開している福澤さんですが、周りから見た自分のイメージと本来の自分との違いのギャップにちょっとした歯がゆさを感じているそうです。

福澤さん:

ソーシャルビジネスを展開していることもあってか、最近出会った方々からは「福澤さんは聖人君子」という綺麗なイメージがついています。それはそれでありがたいのですが、元々はミュージシャンだったし、「芸人」だと思っています。原点は小学生時代に遡ります。

通っていた小学校の担任の先生が、いわゆる熱血教師でギターを持って歌も歌う人でした。歌詞を通じた国語の授業もしてくれました。

特に印象に残っているのが、当時人気絶頂だったバンド「THE BLUE HEARTS」の「青空」という曲を題材にした授業です。THE BLUE HEARTSの格好良さを全身で感じると同時に音楽の力、詩の持つ力を教わりました。

僕はどんどん音楽にのめり込んでいき、中学に入ってからドラムを始めました。高校でもドラムをするのですが、どうせやるなら本格的に学ぼうと思い、ジャズバーにあったレッスン生募集の貼り紙を見て、ジャズドラムを学びました。

この頃は、ジャズドラマーかTHE BLUE HEARTSのドラマーかどちらかに本気でなるつもりで練習していました。あの頃の情熱はいま、音楽からソーシャルビジネスに形を変えて持ち続けていますよ(笑)

「ソーシャルじじい」になって死にたい

–熱い情熱を持ちながら福岡で活動する福澤さんに、今後の展望を聞きました。

福澤さん:

とにかく社会課題をビジネスで解決していきたいです。今は僕が考えた事業の延長線上の形として、2〜3つの事業を展開していますが、もっとクリエイティブな部分にも展開していきたいですね。ウェブ制作の会社もやってみたいんです。プランを詰めればソーシャルビジネスとして成り立つような気がします。

あと、マイソルでいろんな人に起業してほしいという思いも持っています。起業のアイデアを持つ人にジョインしてもらい、僕が思いつかないアイデアで事業を展開してくれたら、もっともっと多くの人が幸せになると思います。その第一歩として、リエートスの枠組みから何か生まれればいいなと考えています。

個人の展望としては「ソーシャルじじい」になりたいです。死ぬ1秒前まで、誰かのことを考えていたいんです。それが僕にとっての最高の幸せなんです。

僕はソーシャルビジネスを始めて本当に良かったと思っています。東京から福岡に戻ってきて10年余り、こんなにドラスティックな人生になるとは思っていませんでした。

でも、振り返ってみると、ソーシャルビジネスの最初の「点」は、福岡に戻ってきてすぐにあったんです。福岡で就職した最初の出勤日は、あるイベントの事務局の手伝いをしていました。そのイベントがソーシャルビジネス普及の第一人者であるムハマド・ユヌス博士が登壇するイベントだったんです。

正直、その時は「そういうビジネスもあるんだ」くらいにしか思っていなかったのですが、10年経つと変わるものなんですね。

東京の生活も刺激的でしたけど、福岡も違う意味で刺激的な街です。人とのつながりも深くて濃いし、福岡から全国に私たちの事業や取り組みを知ってもらえるように情報も発信していきたいですね。

後半〆

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