【移住情報】福岡県北九州市
写真:北九州市観光情報サイト
起業家やこれから起業を考えている人に、九州や沖縄県、山口県の移住情報をお届けする「ともに暮らす.com」(トモクラ)の【移住情報】。
今回は本州と九州の結節点である福岡県北九州市について、東京都在住のフォトライター・奏(かなで)ララがクローズアップしていきます。
なぜ北九州市に注目したかといいますと、先日ある交流会でお話させていただいた北九州市出身の女性から、コロナ禍を機に北九州市に戻って起業を始める人や、リモートワークで東京の仕事を続けている人の話をよく聞く、と教えていただいたことがきっかけです。
【北九州市での生活をリアルに体験できる「お試し居住」】
福岡県北九州市は、本州と海を挟んだ九州の玄関口に位置する人口94万人の政令指定都市です。都会的な暮らしに加えて、釣りやサーフィンも楽しめる海や、四季折々の草花が生息する山など豊かな自然に囲まれた、地方暮らしの両方を楽しめる街です。
移住地を決めるにあたって余程馴染みのある場所ではない限り、現地のゲストハウスなどで実際に何日か宿泊して、自分がこの先この土地で生活していけるかどうか決めることが殆どだと思いますが、北九州市では移住を目的に実際に住んでみる「お試し居住」という制度があります。
お試し居住にはスタンダードとライト、2タイプあります。スタンダードの期間は1週間~3週間で、料金は1週間10,000円、以後1日毎1,000円です。宿泊はメゾネットタイプ住宅。専属の移住コーディネーターが参加者の希望に応じて手厚くサポートしてくれるので、長く滞在してゆっくりと街の雰囲気を味わいたい方や、滞在期間中、移住コーディネーターに仕事探しや家探し等を手伝ってほしいという方に人気です。
一方ライトの期間は3日~3週間で料金は3日5,000円、以後1日毎1,000円です。宿泊はゲストハウス or 庭付き一軒が選べます。
滞在中はオンライン移住相談員が必要に応じてフォローしてくれるので、短期間でも地方移住を経験してみたい方、地方でのリモートワークに興味がある方や、実際に北九州市で生活体験をしたい方に選ばれています。
仕事の関係で北九州市に家を探すため、お試し居住を利用したFさんは、「北九州市に移住を考えているなら、お試し居住は絶対使った方がいいと思います!新卒など、新生活が不安な人でも、相談員の方や滞在先の人たちがサポートしてくれるので安心です。」
北九州ライフ https://www.city.kitakyushu.lg.jp/page/kitakyushulife/trial/
【「日本一起業家に優しいまち」を目指す北九州市 】
北九州市では、平成25年3月に策定した「北九州市新成長戦略(平成28年3月改訂)」の中で、「ベンチャー企業の創出・育成」を重要な戦略の一つと位置付け、「日本一起業家に優しいまち」を目指しています。
北九州市はスタートアップ(起業)を促進する取組みとして、起業した人、起業を目指す人、それを支えるリソース、ノウハウを持つ人が交流できる「場づくり」を進めるため「北九州スタートアップネットワークの会」を立ち上げました。
北九州スタートアップネットワークの会Facebookページ(外部リンク)
https://ja-jp.facebook.com/startupkitakyu/
また小倉駅近隣にある国内最大級のコワーキングスペース「COMPASS小倉」では、創業に関する総合相談窓口を設置しており、相談内容に応じて、各種支援機関や専門家、先輩起業家を紹介するなどの伴走支援を行っています。
北九州市では、COMPASS小倉を創業支援の中核施設として、スモールビジネスから世界に通用するグローバルビジネスまで、まちぐるみで創業を応援しています。
創業支援の中核施設「COMPASS小倉」
https://www.city.kitakyushu.lg.jp/san-kei/09901184.html
【全国で初めて「SDGs未来都市」「自治体SDGsモデル事業」に選定】
SDGsの理念に沿った基本的・総合的取組を推進しようとする都市・地域の中で、特に、経済・社会・環境の三側面における新しい価値創出を通して持続可能な開発を実現するポテンシャルが高い都市・地域を国が「SDGs未来都市」として選定するものです。
特に先導的な取組については、「自治体SDGsモデル事業」として選定されます。選定された自治体は、国と連携しながら、3年間の計画を策定し、実施することとされています。
「SDGs未来都市」、「自治体SDGsモデル事業」の成功事例の普及展開等を行うことで、地方創生の深化につなげることを目指していきます。
2021年7月1日時点、「SDGs未来都市」は全国124自治体、うち「自治体SDGsモデル事業」は40自治体が選定されています。なかでも北九州市は、2018年6月、全国で初めての「SDGs未来都市」及び「自治体SDGsモデル事業」に、他の28自治体とともに選定されました。
北九州市では、SDGsの達成に向けて、以下のSDGs戦略(ビジョン)をもとに取組を進めていきます。
・北九州市のSDGs戦略 (ビジョン)
「真の豊かさ」にあふれ、世界に貢献し、信頼される「グリーン成長都市」
この2030年のあるべき姿のイメージを、より具体的に市民と共有できるよう、わかりやすい5つのまちの姿を掲げました。
1. 社会課題解決につながる「持続可能なビジネスが生まれ、育つまち」
2. ダイバーシティの推進による「みんなが活躍できるまち」
3. SDGsを踏まえた教育の実践による「未来の人材が育つまち」
4. 環境と経済の好循環による「ゼロカーボンシティを目指すまち」
5. アジア諸都市を中心とした「世界のグリーンシティをけん引するまち」
SDGs未来都市に選定された都市は、「SDGs未来都市等提案書」の内容を具体化した3年間の計画を策定し、実施する必要があります。
今後北九州市は、SDGsを原動力に地方創生や地域活性化を図り、「市民生活の質(QOL)の向上」「都市ブランド力の向上」につなげ、「SDGsのトップランナー」を目指すことで、「日本一住みよいまち」の実現に繋げていくと目標を掲げています。
北九州市 ホームページ 「北九州市 SDGs未来都市」
https://www.city.kitakyushu.lg.jp/kikaku/02000156.html?fbclid=IwAR1-NSwLQTnGcNdpKzYw1IzkpMjOzO4Ag0F35mifP5EbLfhkJZEj5hlO5SY
【東京圏から移住した場合、最大100万円を支給】
北九州市では、東京圏から北九州市へ移住して、就業または起業等した方に、最大100万円(世帯での移住の場合)を支給する「北九州市わくわく地方生活実現支援事業」を実施しています。
北九州市わくわく地方生活実現支援事業https://www.city.kitakyushu.lg.jp/page/kitakyushulife/sumai/wakuwakulife-support.html
他にも、開業時や開業後5年未満の方の事業展開について、事業立上げから事業拡大期までの資金繰りについての支援を行っています。
北九州市 ホームページ
https://www.city.kitakyushu.lg.jp/san-kei/10700190.html
【実際に移住×起業した先輩方の声】
東日本大震災をきっかけに故郷である北九州市に移住した児島 毅さんは、移住に伴ってソフトウエアの会社を起業しました。
児島さんのオフィスは北九州テレワークセンター(現在は「COMPASS小倉」。情報技術を活用し新事業に挑戦する起業家を支援する公設施設)内にあるため、必要に応じて専門家(税理士や弁護士)への相談ができ、入居企業同士で横のつながりを作ることもできます。
「起業当初は東京の取引先が多かったのですが、最近は九州の方が多くなりました。遠方のお客さまも、Skypeでやり取りができるので、全国各地の企業様へのサービスが提供できます。情報格差もほとんどありませんし、たまの出張の際の交通の便も良いので、北九州市はとても起業しやすい街だと思います。」
また横浜市出身の岩本 成矢さんは、友人から「門司港でマーケティング担当として一緒にお店をやってほしい」と誘われたことがきっかけで北九州市に移住しました。
現在は会社を立ち上げて、インターネットの広告をコンサルティングする仕事(Google、Yahoo!、Facebookの広告を取り扱って、どういった広告の見せ方をすべきか考え提案と改善をする仕事)と、もう一つの事業として、カフェ『四稀』のオーナーをしています。
カフェをつくるにあたり、「内装や家具、建具など、いろんな人を紹介してもらい協力していただいたおかげで、比較的安い費用で無事にオープンすることができました。門司港でたくさんの人と知り合い、そこで縁が生まれたおかげです。」とのこと。
北九州ライフ
http://ssl.city.kitakyushu.lg.jp/page/kitakyushulife/interview/
【まとめ】
北九州市は海も山も街もあり、家族構成やライフスタイルに合わせて居住エリアの選択肢が広いこと、全国で初めての「SDGs未来都市」及び「自治体SDGsモデル事業」に選定され、取組を進めていること、お試し居住で実際に住んで生活してみることができるのも大きな魅力です。
また「日本一起業家に優しいまち」を目指しているだけあって相談窓口やオンラインでの移住相談(起業、創業に関することを含む)のサポート、移住支援金を活用しての起業や、国内最大級のコワーキングスペース「COMPASS小倉」の相談窓口を利用して、支援機関や専門家、先輩起業家紹介サービスを利用できるのも心強いです。
「移住したいけど実際出来るだろうか…」と悩んでいる時間があるなら、先ずはお試し居住を利用して、そこから考えてみてはいかがでしょうか
Photo:北九州市観光情報サイト
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