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【移住コラム】転勤で福岡に。コンパクトな街だから叶う新しい人とのつながり 菅澤想さんインタビュー(前編)

今回は転勤で福岡に移住してきた方を紹介します。中学校や高校を対象に、現実社会を題材に生きる力を学ぶ学校用学習教材などを提供している「教育と探求社」の菅澤想さん。移住して1年半ほど。最初は友人はおろか知人もほぼいない中で、福岡の生活をどのように過ごしていったのでしょうか。

転勤で縁もゆかりもない福岡に。でもワクワクしていた

菅澤さん:福岡にやってきたのは2021年の4月です。会社として福岡・九州での事業規模のフェーズを大きくしていこうという話が出ていて、福岡に行ってくれるメンバーを募集していたんです。その募集に手をあげて、福岡にやってきました。

僕は元々関西出身で、大阪の大学を卒業した後は東京で働いていました。福岡には縁もゆかりもありません。僕は引っ越しをするのが好きで、新しい土地に暮らすのが好きなんです。だから、福岡の話をきいたときはワクワクして仕方がありませんでしたし、不安も特にありませんでした。

福岡に住んで1年半ですけど、東京や大阪と比べると、非常にコンパクトで住みやすくて便利な街ですね。住んでみて感じたのは、移動が少ないので1日の予定を効率よく立てられるということ。

例えばジムに行って、近くのカフェでコーヒーを飲んで、近くの公園を散歩して、近くの飲食店で晩ご飯を食べて、向かいにあるバーに行く。東京や大阪で生活をしていたときは、その間に電車での移動が入ります。福岡に来てからは街の利便性をフル活用しています。

仕事の話はしない。その場の会話を楽しむ

— 転勤したとき、福岡の人たちとのつながりが全くと言っていいほどなかった菅澤さん。どのようにして、人とのつながりを増やしていったのでしょうか。

菅澤さん:福岡には個人で経営している飲食店やバーが多いので、自分から積極的に話しかけていきました。東京から引っ越しをしてきたことや住んでいる場所は話しつつ、オススメのお店など地元の情報をキャッチしていきました。

このとき、仕事の話はこちらからは一切しないようにしました。ご飯やお酒を楽しんでリラックスしている場に仕事の話を持ち込むのは、必ずしも必要ではないと思ったんです。その場の会話を楽しんで僕もリラックスするようにしていました。

そこから日を空けずにオススメしてもらったお店に行って、それをオススメしてくれたお店に行きました〜」というメッセージの意味を込めて、インスタグラムのストーリーにアップしていました。

東京や大阪は広い分、人の行動範囲も広いんです。だから、オススメのお店を教えてもらっても、活動エリアが違うのでちょっと足を運べないなと感じることもありました。でも、福岡市内の人は活動エリアがほとんど一緒なので、オススメのお店も近い。足を運ぶのも苦にならないんです。おかげで、行きつけのお店がたくさんできました(笑)。

福岡の人と話していると、県外から移住してきた人に対してとても優しいと感じます。街がコンパクトな分、SNSを見て、「あの人とあの人って知り合いだったんだ」という場面に何度も遭遇しました。これは東京や大阪ではなかなかないことですね。

あとは月に2回、認定NPOホームレス支援「福岡おにぎり会」の活動に参加しています。メンバーが作ったおにぎりと豚汁を持って市内にある公園に行き、ホームレスに配っています。街のゴミを拾う活動も月に2回行っていて、行きつけのバーの店主と一緒に活動しています。

「ノブレス・オブリージュ」に受けた影響

「どうしてボランティアをしているの?」と聞かれるんですが、僕は小さい頃から、困っている人の課題を解決することにエネルギーが湧いてくるタイプで、解決のために知恵を絞ったり行動したりすることに苦じゃないんです。

困っている人にエネルギーを注ぐことをはっきり意識するようになったのは、高校2年生のときです。ある予備校の映像授業で講師の方が「ノブレス・オブリージュ」のことを話していたんです。これはフランス語で、直訳すると「高貴な生まれの者に課された義務」といった意味です。

その義務とは「恵まれない人に対して還元すべき」。僕は上流階級ではないけど、目の前に困ってる人がいるなら少しでも支援ができるようにしていきたいと思ったんです。今の仕事も中学生や高校生、先生たちに対して自分のエネルギーを使えているので、とても充実しています。

【前編まとめ】

私は移住前から数人の友人がいたので、移住に対しての不安はありませんでした。でも、菅澤さんのようなやり方でつながりを作っていけば、福岡でも楽しく生活していけると思います。

実際、福岡にはユニークな飲食店やバーも多いです。私がよく通っている飲食店やバーもユニークなスタッフばかり。お客さんとコミュニケーションを積極的に取っています。福岡は仕事以外の友人を作るのには、とてもよい環境と言えるでしょう。

さて、後編では菅澤さんがなぜこの仕事をしているのか、教育に対する思いをうかがいます。

移住コラム

木村公洋(きむら・きみひろ)さん 移住コラム

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