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思考する生活 Life of Thinking 第十九回目 わたくし的メディア論、気づいたら未来になっていた。

メディアとは情報を伝えるためのツール、手段である。
平成時代の前半までメディア、イコール“マス”メディアであった。
マスメディアとは大量の情報を多くの人々に伝えるものである。

マスメディアの元祖は新聞である。新聞は江戸時代に生まれ明治時代になると様々な新聞が発行され一大メディアとなった。そして大正時代になるとラジオが登場した。そして第二次大戦後の昭和時代にテレビが登場した。

新聞、雑誌、ラジオ、テレビ、次々と新しいメディアが登場するにつれて多くの人々が同時期に情報に触れることが出来るようになった。
ちなみに新聞の最大発行部数の記録は150万部、人気スポーツの中継となると視聴率が40%を超えるものもあり、視聴者数に換算すると400万人に達する。
日本の人口が現在2023年3月現在、日本の人口はおよそ1億2580万人と推定されているので、30人に一人が同じ番組を見ていることになる。

皆が知っている有名人やスターが生まれるところ、そこはマスメディアであった。

テレビが華やかし頃、スター・ヒーローはテレビから生まれた。
俳優、歌手、芸人、などのエンターテイナーからプロ野球、Jリーガーなどのスポーツ選手
そのほかにも、芸術家や小説家などの文化人など多くの著名人はテレビから生まれた。
そして、彼らは新聞や雑誌にも幾度となく登場した。
私たちの多くの情報源はマスメディアであった。

テレビ局の数は限られている。なぜ、限られているかというと、テレビ局(放送)事業は放送法という法律のもとで管理されている許認可事業なのである。
ゆえに簡単に誰もがテレビ局を立ち上げることなど出来ないのだ。また放送には帯域という枠があるので放送可能な局数も限られているのだ。
有名になるためにはテレビ露出が必要条件であったのだ。

昭和の終わり頃にインターネットがアメリカで産声を上げた。
私がインターネットに初めて接したのは確か平成2年か3年であった。
友人の家でパソコンの画面越しにインターネットを見たのであった。
ぼんやりとした記憶しかないのだが、アメリカの大学の図書館のページであったような気がする。
その友人は今思うととても変わった趣味を持っていたと思う。

今でこそ一人一台パソコンを持っているのは極めて普通なことであるが、今から30年以上前に個人でパソコンを所有し、しかもそれを電話回線に繋いでほとんど誰もが知らないインターネットなるものに接続していたのだ。
しかもインターネットのページが出てくるまで(今で言うところのダウンロード)10分以上、彼の部屋でパソコンの画面と睨めっこをしていた。

当時、将来はパソコン上で映画やテレビ番組を観られるようになると熱く語っていた。
私は文字群だけでも出てくるのに10分以上かかるのに、こんなので映画を観られるようになるのは30年以上も先であろうと内心思っていたのであるが、彼の熱い語り口調に否定など出来なかった。

そして10年後に会社のデスクの上に一人一台パソコンが置いている時代になった。
パソコンで映画が見られる時代になった。
しかしそれはインターネット経由ではなく、パソコンのDVDドライブに映画のDVDを入れて見られるようになった。
しかしこの頃から仕事の連絡はメールでやり取りをするようになった。
そして携帯電話が普及してきた。

この時期にアマゾンという中南米の大きな河と同じ名前の会社の人と会った。なんと、パソコンで本を買うサイトを日本で始めたそうなのだ。
街中のあちこちに本屋があるのになぜパソコンで買うのか?と私は大きな疑問を抱いた。そのアマゾン河の人が言うには将来は本以外にも家電製品もパソコンで買えるようになるそうなのだ。

私の頭の中は???で一杯であった。
街には家電量販店がいくつもあるし、買ったら配達もしてくれるのに、、である。

それから5年後にインターネットを通して映画がダウンロード出来るようになった。
初めてインターネットの画面を見せてくれた友人の言う通りになった。私は30年以上先のことだと思っていたのだが、15年で映画がパソコンで見られるようになったのだ。

その当時、ユーチューブという会社に勤めている人に会った。
会った翌日にユーチューブのサイトにアクセスをした。色々な動画が見ることが出来た。ニュースや映画やコンサートなどなど、、しかも無料である。
見ている人が動画に対してコメントもできるし自分で発信も出来るのだ。
自身でインターネット上の放送局が開局出来るのだ。

この時点で私はやっとこれはもしかするとテレビにとって変わるかもしれない!と直感で感じ取ったのであった。
この事を放送に詳しい知人に話をしたところ、テレビ電波というのは余程のことが無い限り障害が発生することはないがインターネットというものは回線を通しているので一度に多くの人がインターネットで動画を見ると回線がパンクしてしまうのでテレビの代わりは無理だ、と教えてくれた。
また、番組を作るのには多くのお金と人がいるので見た人が納得するような番組が作れるとは思えない、とも教えてくれた。
そう言われてみればそのような気がしないでもないなぁ、、と私は思った。

この頃にsnsというものが世の中に登場した。
私の携帯もスマートフォンという大きな画面のものになった。
snsもスマホも使ってみると手放せなくなった。

そして年を重ねるごとにテレビを見る時間がどんどん減っていった。その反面、パソコンやスマホを見る時間がどんどん多くなった。

気づいたらsnsや動画を通して面白い人を多く見かけるようになった。
その人たちは知る人ぞ知る、ニッチな存在であろうと私はたかを括っていた。

いつのまにか情報源がテレビではなくなっていた。
たまにテレビをつけるとsnsやYouTubeで見かける人がテレビに出ていた。
しかも、それらの人たちが街中の広告にも出てくるようになった。

いつの間にかメディアの主役はテレビからインターネットになっていた。
ちなみに我が家のテレビはネットと繋がるテレビなので、テレビ番組を見ているのかネットを見ているのかその違いがほぼない。

いつの間にか気づいたら未来になっていた。

増村岳史

アート・アンド・ロジック株式会社  代表取締役
増村 岳史 / Masumura Takeshi
大学卒業後、株式会社リクルート入社。マーケティング、営業を経て映画、音楽の製作および出版事業を経験。
リクルート退社後、音楽配信事業に携わったのち、テレビ局や出版社とのコンテンツ事業の共同開発に従事する。2015年アートと人々との間の垣根を越えるべく、誰もが驚異的に短期間で絵が描けるART&LOGIC(アートアンドロジック)を立ち上げ、現在に至る。著書に『ビジネスの限界はアートで超えろ! 』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)『東京藝大美術学部 究極の思考』(クロスメディア・パブリッシング)がある。

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