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思考する生活 Life of Thinking 第九回目『 Low Guy(ロウ・ガイ)に御用心、そしてLow Guy(ロウ・ガイ)にならないように注意しましょう。』

我が国には**道というものがある。

例えば三道と呼ばれている、茶道、華道、書道、そして運動系の柔道、剣道、合気道、空手道、、最近ではサ道なるものもある。これはサウナ道を短縮した呼称であるそうだ。これら**道システムは、その道を極めたお師匠さんのもとで弟子となり一定期間の修行をへたのちに晴れて免許皆伝になり自らが師範代となって弟子を取り、そのまた弟子が弟子を取り教えるという継続的かつ、優れた教育ビジネス体系なのである。

それを実践する場を道場という(つまり道を鍛錬するための場、なのである)

実はこの**道であるが、日本古来の芸事以外にも、西洋から伝来したスポーツや楽器にもあるのだ。先述のようなサ道のように、である。

何を隠そう私も2年前からジャズギター道場なるものに通っている。
ジャズとは誰もが知っているようにアメリカ発祥の音楽ジャンルである。
よって、普通に考えるとジャズを教えるところの呼称は、なんとかジャズスクールとかホニャララジャズ教室となるのが世間には多い。

しかし、私が通っているところは “道場”の看板を掲げている。
週一で私は師範のもとで修行を積み免許皆伝になった師範代から教えを請うているのである。
この道場は著名なジャズミュージシャンや誰もが知っている有名バンドのメンバーも輩出している伝統と格式ある道場であるのだ。
あの、有名ギタリストの**さんやあの、有名バンドの**さんもこの道場で修行を積んだ、と思うと日々の練習にも熱が入るのである。

もちろん道場以外にも学びの “場”は全国津々浦々至るところにあり願ってもいないのに教えてくる教え魔も色々なところに出没する。

腰を痛めてからすっかりご無沙汰してしまったが以前ゴルフに熱中した時期があった。週一回は近所のゴルフ練習場で2時間ほど練習をしていた。
ある時、打席に立って練習をしていると私の背後に仁王立ちで腕組みをしたおじさんが立っていた。
そのおじさんはすぐいなくなるどころか、ずっと私の背後に立っていたのだ。
彼のせいで私はモチベーションがどんどん下降をしてゆき練習場を去ろうと思ったところに背後から
『腰の回転が遅いんだよね、、』との呟きが聞こえた。

私は無視をするのも悪いなぁ、と思い『あ、ありがとうございます』と返答した途端にそのおじさんは私の腰に両手を当てて、腰をグリグリと回したのであった。
『や、やめてください、』と心は叫んでいたのだがおじさんは『はいっ、俺が腰を回してあげるから、玉を打って!』と声で耳元で囁くその言葉に従って球を撃ち続けると、宙を舞うどころかゴロゴロと地を這うような球が連発し始めたのだ。

それでもおじさんは私の腰から決して手を離そうとせずに、グリグリと私の腰を回転し続けるのであった。
私はこの場から直ぐにでも離れようと思い咄嗟に出た言葉が『あ、約束の時間がすぎちゃったなぁ、やばい、やばい』であった。

おじさんもさすがにこのセリフを聞いて私の腰から手を離したのであった。
私はさっさとこの場を去ろうと思い、ゴルフクラブを片付けようとすると、おじさんが『キミ、筋が良いから練習がんばってね、オレは週3回でこの練習場にいるからいつでも声をかけてね』とナマ温かい声を私にかけ『はい、是非またご指導ください』と私は心にもない返答をし、この場を去ったのだ。

もちろん、この練習場にそれ以降行くことはなかった。

閑話休題、ジャズギターの修業を始めて3年目に入った私は道場の師匠からのお薦めで、ジャズセッションなるものに最近は参加するようになった。
多くのジャズクラブは定期的にセッションデーというものを設けている。

セッションデーではそれぞれが楽器をもちより、初めて会ったもの同士が曲を演奏するのである。ジャズにはスタンダートと呼ばれている定番の曲がありこちらを演奏しアドリブをしあうのだ。
このセッションを主催するのがセッションマスターと呼ばれているジャズクラブと縁の深いおじさんプレーヤー達なのである。(セッションマスターはベース、もしくはピアノプレイヤーが務めることが多い)彼らの役割は、プレーヤー兼、司会、進行兼、幹事役である。

セッションの流れは、まず店の入り口で自分の名前と楽器を記入する。この名簿(リスト)を元にセッションマスターが人選をして演奏を仕切るのである。(もちろん演奏のリーダー役はセッションマスターである)
私のようなジャズを始めて3年目の者なぞ、よちよち歩きの赤ん坊のようなものなのだ。

それは初めてセッションに参加した時のことであった。
セッションマスター(以下マスター)に名前を呼ばれた私はギターを抱えてステージへと向かった。
メンバーはマスターであるベースとセッション参加者のドラム、ピアノである。わたし以外の他の人々(おおよそ私より年長の方々)は常連らしい雰囲気を醸し出している。

マスターから演奏をしたい曲を聞かれて、私は当時、唯一演奏の出来るスタンダード曲を告げた。
マスターから、『カウントをとって』と言われたので、普通にワン、ツー、スリー、フォア、、とカウントをとると、周りから白い目線がグサっと刺さって来たのであった。私は訳が分からず、顔が???となってしまった。

すかさず、マスターが『ジャズのカウントの取り方ってのはねぇ、、』と切り出し、その場でジャズのカウントの取り方を教えられ、3回の練習後にやっとカウントを出すことが出来て演奏が始まったのだが、私は緊張のあまり唯一覚えている曲さえも頭から飛んでしまったのである。

ポンコツな演奏が終わった後もアドリブソロの出し方やエンディングの合図の仕方などお作法をマスターから叩き込まれたのであった。
私はメゲずにセッションに通い続けたのであったが、その度にマスターにお作法を叩き込まれることとなった。

この話をジャズギター道場の師匠に話したところ、私の習ったお作法はその店特有のお作法、つまりセンションマスターのおじさんのみのルールであったのだ。

これを老害と言わすしてなんというのであろうか!

ゴルフの件といい、マスターの件といい、老害には要注意である。と、同時に私たちもローガイ=Low Guy<老害>にならないように細心の注意を払いたいものである。

最後に、ジャズの帝王と呼ばれたマイルスデイビスは常に若手ミュージシャンと演奏をし彼らから色々と学んでいたそうである。

学ぶ気持ちがあればいつでも進化・成長できるのではないだろうか?

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